コースターと訃報・熊井啓監督 |
浦山桐郎・今村昌平・熊井啓、何れも日活育ちの監督さんです。僕が、うめだにっかつ地下劇場の支配人当事、上司(吉満屋総支配人・・通称館長)が元日活の宣伝部長だったこともあり、このお三方、何かで大阪に来た時は、よく館長を訪ねてきていました。仕事の為に訪ねると言うよりも「一杯飲み」が専らでしたが。
熊井啓監督が仕事の手伝いを頼んできたことが一度ありました。その時は、館長から言われて僕が数日間ロケに付き合いました。作品は、宮本輝「錦繍」の映画化の先撮りで、大阪市内の実景と天神祭りを撮影するのが目的でした。まだ本決まりではなかったみたいで、スタッフも撮影部と制作部が一人と少人数編成での季節物を押さえる為の大阪ロケでした。予算的にもきっちりと決まっていなかったのか、宿の手配などこちらでしたのを覚えています。製作元や配給元が決まっての大阪入りだったら、メージャーの場合は支社の宣伝担当の方が付くことが多いので。撮影に入ると、少人数ですが流石は一流のプロの集団です。監督の指示の元、効率よく手際よく現場を移動しながら撮影していきます。その日の撮影が終わると宿に引き上げて食事、その後は飲み会へと流れるのが、毎日のパターンでした。どんなに遅くまで飲んでいても、決められた撮影スケジュールをこなしていく、タフでお酒と映画が大好きな方たちばかりでした。
大阪の曽根崎近くに、にっかつの女優・「絵沢萠子」さんがやっている「気絶」と言う店がありました。館長のところには、若手から大御所の監督さんを始め、マスコミや映画関係の方もよく来ていたので(一杯飲みに)、この店もよく利用していました。たしか、撮影最後の打ち上げ三次会だったと思います・・・・館長も加わり、監督やスタッフそれに絵沢さんも加わり、映画論や新作の話で大いに盛り上がったことを憶えています。その時、テーブルの上にあったコースターに、監督がボトルキープ用のペンで似顔絵を書き、記念にと渡してくれました。
普段は、色紙やサインには関心がなかったので欲しいと思ったことは無かったのですが、このコースターとご本人が持ってきてくれた「舞踏譜・舞踏家大野一雄著」のサイン本は、いまでも大事にしています。にっかつから独立してアート系の映画館をやっていた頃、何処かの映画祭いでお会いした時「大阪に行ったら寄ります、また飲みましょう」と・・・・・映画業界からも離れ、それ以来お会いする機会もありませんでした。
「錦繍」その後の経緯は分かりませんが、映画化は立ち消えに・・・・・。
今日の朽木小川、天気予報通り雨風の一日にでした。ゴン太も僕も「木質体質」なので、こんな日はジ~とお家で過ごします。先週からイロイロと忙しかったので、いい休憩日になりました。
明日は薪ネットグループの作業日、日曜日は田植えです・・・お天気も回復するでしょう。
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